1)基本情報 ウンブリア州 テルニ 県のコムーネ
パーリア川の浸食により平野の上に島のような高い崖の上にできた街。ローマとフィレンツェを結ぶ幹線上にある。
旧市街地は天然の要塞のような高台となっている。駅前から高台へのケーブルカーであがることができる。上がると眺望
も楽しめる。
エトルリア人をローマ人が排除して作られた。中世以降はローマ教皇庁との関係が深く、した。16世紀のローマ略奪の
際には教皇クレメンス7世がここに逃れてきた。サンパトリツィの井戸をつくらせた。現在も地下遺構が見学できるなど狭
い高台の街ながら大聖堂他見どころは多い。
2)特産・名産品 クラシコ(白ワイン)、イノシシのサラミ、トリュフ、ポルチーニ、トリュフ入りの羊のチーズ
3)アクセス @ローマ → fs線 (IC ) → オルヴィエート 約1時間、 Rで1時間30分。
Aフィレンツェ → fs線 (IC ) → オルヴィエート 約1時間40分、 Rで2時間15分。
*駅前の広場をはさんでケーブルカー下駅があり、3分で上駅。ケーブルカー上駅から徒歩5分で中心の
大聖堂へ。
4)みどころ
カーヴァの井戸(Pozzo
della
Cava) Via
della Cava 28 - 05018 Orvieto (TR) Italy
オルヴィエートのメイン通り「Via del Corso」を西にまっすぐ。Via della Cavaを下ると右手にあります。レプッブリカ広
場から徒歩5分。
休館日:毎週月曜日(祝日の場合は営業) 開館時間:9:00〜20:00(途中休憩なし)
料金:3ユーロ*大聖堂前の地下洞窟ツアーのチケット半券を持っている人は割引きあるそう。 http://www.pozzodellacava.it/
オルヴィエートの台地の下には、迷路のような地下洞窟が広がっています。今も静かに眠る洞窟の一部は、綺麗に
掘り返され一般に公開されている。
その1つで有名なのがこの「カーヴァの井戸」。16世紀にローマ教皇が水源確保として掘らせた巨大な井戸です。
しかも起源は今から3000年前のエトルリア時代にまでさかのぼります。
どこまで続くの?と想像以上に大きな洞窟と長い地下通路を探検でき、様々な出土品や生活様式が分かり易く
見学できます。
カーヴァの井戸は、オルヴィエートの数ある地下洞窟の中でも有数の広さを誇ります。巨大なカーヴァの井戸は、足
がすくむような深さです。
古代遺跡に強い関心を持っている方は、大聖堂前からスタートする「地下洞窟ツアー」に参加されると良い。ただ
こちらは英語もしくはイタリア語ガイド付きのツアーなので、ある程度語学力がないと楽しめません。一方この「カー
ヴァの井戸」は自分の好きなペースで見学できるので、初心者にお勧めです。
以下、カーヴァの井戸のルート順解説です
・窯(la fornace)
中世の陶器を焼いていた窯と石灰岩からできた多くの出土品、また作業に使用された道具などが展示されています。
現在オルヴィエートでお土産となっている。陶器は、この中世のころの出土品がベースとなっています。エメラルドグリー
ン色と、動物や人の可愛らしいデザインが特徴的です。
・中世のごみ箱(i
butti)
中世にゴミ捨て場として使われた小さな洞穴。洞穴の上部の縁には古代の出土品の石が使われています。オルヴィ
エートは断崖絶壁の大地が自然の要塞とし敵からの攻撃から守ってきました。ゴミを崖から外へ捨てると、周りに積
もり、敵が侵入しやすくなると考えられていたため、わざわざ地下にゴミ捨て場を作り、そこに破棄していた。
・墓地(la tomba)
典型的なエトルリア人墓地を変形させ、毛織物を仕上げるために使われる縮絨(しゅくじゅう)機を組み立てる場として
使われていました。
・カーヴァの井戸(il
pozzo
della
cava)
この凝灰岩をくり貫いてできた巨大な井戸は、1527年から1530年の間に法王クレメンテ7世の命でエトルリア時代の井
戸を広げて作られました。1646年に閉鎖された後、再発見されるまでに数世紀が経過しました。
・貯水槽(la cisterna)
このエトルリア時代の掘削は屋根から落ちる雨水を貯えるために使われていました。
・ワイン貯蔵庫(la cantina)
中世に彫られたこの地下の洞穴は、オルヴィエートの有名なワインを製造したり貯蔵するために使われていました。ワイ
ン貯蔵庫の階段はワイン樽を転がせて運べるよう、階段の両脇が坂になっているのが特徴です。
・マッフル窯(la muffola)
貴重なルネッサンス期の名誉ある遺跡。この小さな窯は陶器を作る過程において3度目の焼成のために使われてい
ました。
・凝灰岩の柱(il
pilastro
di tufo) 中世に建てられた塔の基礎となった大きな支柱の一つ。
・断崖の古墳(la necropoli rupestre) 古代エトルリア人墓地の遺跡の一つ。
・洞穴(la cava) 800年代にできた凝灰岩の大きな洞窟。
・第二の井戸(il
pozzo
numero
2)
もう一つのカーヴァの井戸。小さく水のないことから、用途については謎に包まれています。
・地下道(il
cunicolo) 断崖の凝灰岩の中に掘られたエトルリア時代の典型的な地下連絡路。
ドォーモ
オルヴィエートの荘厳なドォオモの建設は、1290年11月13日にかつて教会が建っていた跡に、『ボルセーナの奇跡』を
記念するために始められた。
伝えられるところによれば、1293年ころにボルセーナの聖クリスティーナ教会でミサを行っていると、パンからキリストの血
が滴りはじめ、聖餐布を血に染め始めたという。この奇跡を聞いた、当時オルヴィエートに滞在していた法王ウルバーノ
4世の命でこの聖なる麻布はオルヴィエートに移され、その後まもなく、この遺品を収めるべくドゥオーモの建設が着手
された。
オルヴィエートのドゥオーモの建設は3世紀にもわたり、のべ33人の建築家、152人の彫刻家、68人の画家、90人のモ
ザイク師の手が加えられたという。
中心となった建築家は1300年の始めに指揮をゆだねられた、シエナの建築家であり彫刻家でもあるロレンツォ・マイター
ニで、彼の非凡な才能により、時代を超越した建築の大傑作が誕生した。マイターニは、ドゥオーモのファザード(正面)
を3枚続きの絵画と考え、このオルヴィエートのドゥオーモは3つの尖塔を備えたゴシック建築を代表する建物として世界
に名を馳せている。
この素晴らしいファザード(正面)は、浅浮き彫りの装飾で覆われ、4本の大きな柱と、3枚のブロンズ扉からなっている。
柱の浅浮き彫りはそれぞれテーマをもっており、左から
第1の柱:旧約聖書のシーンと世界と人間の起源
第2の柱:旧約聖書のシーンと予言者たち
第3の柱:新約聖書のシーン(キリストの生涯)
第4の柱:最後の審判 となっている。3枚のブロンズの扉は20世紀を代表する彫
刻家エミリオ・グレコによって制作されたものである。
ドゥオーモの右側の袖廊には、聖ブリッツィオ礼拝堂があり、この壁一面がシニョレッリのフレスコ画で飾られている。
この一連の壁画はイタリア美術史上の傑作とされ、フラ・アンジェリコやミケランジェロの前兆ともいわれている。
シニョレッリは1499年に制作を始めると、前任者の残した仕事を引き継ぐとともに、自身の仕事も始め、ともに素晴らし
い表現力と色彩感覚をもつ大傑作を仕上げている。文献によると、この仕事の報酬として、住居や賃金の他にオル
ヴィエートの白ワイン(年間1000リットルも)を受け取っている。
天井と壁に描かれたフレスコ画のメインテーマは『最後の審判』であ、これに関連したエピソードや人物が描かれてい
る。壁上部には『キリストに敵対する者の話』『世界の終焉のシーン』『肉体の復活』『地獄に堕ちた者』『地獄に堕ち
た者の追放』『天上の諸聖徒』『選ばれた者が天国に召還される』が描かれている。
特に名高いのは、ダンテの地獄を豊かな色彩で生き生きと表現した『地獄に堕ちた者たち』(左写真)で、この壁画は、
聖ブリーツィオ礼拝堂の中でも最も美しいとされている。この中に描かれている、悪魔にさらわれて行く娼婦は、後に棄
てられるシニョレッリの当時の愛人であったという説があり、たしかに娼婦たちの顔が皆同じであるのが興味深い。
オルヴィエートの壮麗なドゥオーモの左奥の礼拝堂の入口の壁には、大きなパイプオルガンが置かれています。このパイ
プオルガンはイタリアで一番大きいといわれており、5500本ものパイプからできています。
サンジョベナーレ教会
町の北西の端にあるサン・ジョヴェナーレ教会は、1004年に建設されたという、オルヴィエートで最も古い教会であ
る。
教会の正面はシンプルで円形アーチの扉があり、左側には力強い鐘楼がそびえていて、今なおオルヴィエートの人々
に時を伝えている。右側には、石灰華でできた1497年の門がルネッタ(半月型部分)には、聖ジョヴェナーレ司教の胸
像が残っている。
教会の内部には壁に沿って貴重なフレスコ画がかろうじて残っており、13世紀から16世紀にかけてのオルヴィエートの芸
術家の作品といわれている。
このフレスコ画を含め、オルヴィエートの教会には美術史的に重要で一見の価値がある作品が数多く残っているので、
他の美しい教会も散策してみると面白い。
5)レストラン、ショッピング
スーパー SIDIS(シディス)
Via
L. Signorelli, 21 - 05018 Orvieto (TR) ITALY = ドゥオモ通り(Via Duomo)から脇道に入った
すぐにあります。水曜日の午後休み
営業時間 : 8:00〜13:30 / 17:00〜20:00(季節によって営業時間変わります)
ジェラート屋 「パスクアレッティ」(Gelateria Pasqualetti)
Piazza
del Duomo, 14, Orvieto, Italia = モーロの塔の正面にあります。スイカの形をしたベンチが目印
です。
営業時間 : だいたい無休 10:30頃〜23:00頃まで
トラットリア
Trattoria La Pergola(トラットリア ラ・ペルゴラ)
Via
dei Magoni 9/B - 05018 Orvieto (TR) Italy =ドゥオモから徒歩5分。ドゥオモからドゥオモ通りに入
って、2本目左のトンネル状の細い道が「Via dei Magoni」別名「職人通り」です。陶器や布製品が並ぶ小道を
勧めば、左手に蔦の絡まるレストランが簡単に見つかります。
水曜日 定休 営業時間 12:30-14:00 19:30-22:00 予算 :1人20〜30ユーロくらい(飲み物別)
Trattoria Mezza
Luna (メッザ・ルーナ) 安くてうまい。
Via
Ripa Serancia, 3 - 05018 ORVIETO (TR) Italy =オルヴィエートの町のほぼ中心にあるレプッブリ
カ広場(Piazza
della Repubblicaからのびるロッジャ・メルカンティーニ通り(Via Loggia dei
日曜日 定休 営業時間 :13:00-14:30 19:30-22:00 席量 1.10ユーロ 予算:1人15ユーロ
くらい(飲み物別)