1)基本情報 フリウリ=ベネチア・ジュリア州 ウディーネ県のコムーネ。県都。
ロマネスク・ゴシックの建造物が多く残る。周囲を丘にかこまれたフリフリ地方の中心。西ローマ帝国滅亡後、アッティアなどの勢力が衰え、
オットー2世がアクイレイに城を寄進し、アクレイアの大司教座が13世紀に移ってから発展した。15世紀にヴェネチアに支配。その後、フラ
ンス、オーストリアの支配下時、ロンバルド=ヴェネト王国に編入され、19世紀イタリアに帰属。第一次大戦にはドイツの支配下となる。
1700年代にティエポロが多くの作品を残した。
2)特産・名産品 農産物、ワイン
3)アクセス @ヴェネチア・サンタルチア駅 →(Exp)→ ウーディネ 約 2時間
Aトリエステ中央駅 → (IC) → ウーディネ 約 1時間
*ウーディネ駅は街の南側にあり、中心部まで約1Km。 駅からバス 1番 で約10分
駅の目の前を通っている大通り(Viale)がぐるりと取り囲んでいる中心までは、駅から歩いて約15分。
4)見どころ
町の中心にあたるP.zza
della
Liberta(リベルタ広場)は主要な建物に囲まれた観光スポット。
均等に柱が並ぶPorticato di S.Givanni(サン・ジョヴァンニの柱廊)。ルネサンス様式の建築物で、サン・ジョヴァンニ教会の一部になっている。
柱廊(ポルティコ)には1527年にヴェネツィアのサン・マルコ広場と似たような時計塔が建ち、一番上には1850年に付け加えられた2体のムーア
人の像が時を告げる鐘を鳴らしている。時計塔にある翼を持つライオンはヴェネツィアに支配されて時代を物語っている。
柱廊の向かいにある1階部分が柱で囲まれているピンクと白の縞模様の建物はPalazzo del Comune(市庁舎)。
サン・ジョヴァンニの柱廊の方に向きなおし、左側から続く坂道を上がって行くと町を見渡せるCastello(カステッロ)へ。この坂道にも柱
廊があり、中世の雰囲気が残る。この坂道かなり急で、上がりきると町のパノラマポイントになっているカステッロ前の広場が広がる。
市長のおすすめ:第一の見所はたリベルタ広場です。この広場にはリオネッロの開廊、すなわち1450年に建てられた優雅なヴェネツィア・ゴシ
ック様式の市庁舎があります。サン・ジョヴァンニのアーケードは1533年にさかのぼるルネッサンス期の美しい建造物で、エレガントな時計
塔Torre dell'Orologioが付いています。イタリア本土のヴェネツィア様式の広場の中で最も美しいものの一つです。
丘の上のお城も見逃せません。1517年から建造が始まったものです。お城へはリベルタ広場から、ボッラーニのアーチArco Bollaniとリッポマ
ーノのアーケードPorticato
del Lippomanを通って行くことができます。城内には市民美術館Civici Musei、歴史・芸術博物館Gallerie
di storia e arteがあり、中世後期の絵画を集めた古代美術館、考古学博物館、デザインと印刷物の部屋、芸術・歴史・民族誌に関する
20,000冊以上の本を集めた図書館、写真館を訪れることができます。
またサンタ・マリア・デル・カステッロ教会Chiesa di Santa Maria del Castelloも訪れるとよいでしょう。優美なファサードとルネッサンス様式
の堂々たる鐘楼が印象的な教会です。教会の隣にはお城のグリマーニ・アーチarco
Grimaniと一緒になって、サンタ・マリア・ディ・カステッロ信
者会の家と農民の家Casa della
Contadinanzaもあります。
何度も修復が施されましたが、ドゥオーモDuomoはオリジナルの壮大な14世紀ゴシック様式を残しています。内陣の左側の門からドゥオー
モ博物館Museo
del Duomoに入ることができます。博物館には14世紀のサン・ニコロ礼拝堂や古い洗礼堂が残っています。ドゥオー
モ右横の入口前にあるのが18世紀のプリタ小礼拝堂です。
歴史的中心地を走る道の中で、リアルト通りVia Rialtoは歩行者専用の市民の"サロン"です。ちょうど中世の別荘があった場所の上を通っ
ています。
メルカートヴェッキオ通りVia Mercatovecchioは、1223年に町で最初に市場(メルカート)が立った場所です。それから、マッテオッティ広場
Piazza Matteotti、町で最も古いサン・ジャコモ広場Piazza San Giacomoがあります。サン・ジャコモ教会Chiesa di San Giacomoは1300
年代後半のものです。
ウディネの灌漑用水路跡が残っている場所の横を走るのがザノン通りVia Zanonです。18世紀を中心とする美しい宮殿が並び、トッリアー
ニ通りVia Torrianiと交差するところにはサンタ・マリアの塔Torre di Santa Mariaが建っています。その後ろにはバロック芸術のマニン礼
拝堂Cappella Maninがあります。
現在イタリア中央銀行が入っているのがジェモーナ通りVia Gemonaにあるアントニミ宮殿Palazzo Antonimi。1570年に建てられたものです。
(参考)
リベルタ広場から続くサン・ジョヴァンニの柱廊を登って行く。登るに従って展望が開けてくる。北側の街並みを見下ろすとS・M・デッレ・グラッ
ツィエ教会がみつかる。ここは、イタリア文学の翻訳者でエッセイストの須賀敦子さんが、イタリア人の夫ペッピーノと結婚式を挙げた教会だ。
坂を登り切る頃、カステッロ教会の塔の上にある像が視界に入った。時計塔の2人のムーア人の像が後ろ姿になって見える。
カステッロの広場に到着。ここには博物館とレストランなど。アルプスが望める。(4月中旬だったので)、この付近の山では雪はだいぶ溶け
てきているようで、頂上部分だけが白くなっていた。西側には、大きなドームを持ったはオザリオ教会。
カステッロ広場を降りて、もう一つの大きな広場マッティオッティ広場を通りがかった。この広場に建つサン・ジャコモ教会は、屋根部分に聖人
たちの像が並んで、一見バチカンのサン・ピエトロ大聖堂の屋根を思い起こさせる。
大聖堂の天井に天使が舞い飛ぶ・ウーディネプリタ礼拝堂の隣りに、大聖堂がある。ここは天使の舞う空間だった。この大聖堂は14世紀に
ゴシック様式で建てられ、18世紀になって修復がなされた。フランスの巨大なゴシック大聖堂のような周囲を威圧する建築ではなく、割とこじ
んまりしている。