FIRENZE-2

第2回フィレンツェ地図map7

時 期 ・ 期間 ・ 旅行の種類
2005年9月20日 (火)〜27日(火)・個人旅行
目的地 ・ 目的
ここ数年、 イタリア絵画の中世からルネサンス、バロックへの変化にひかれている。最初のツアーでは気が付かなかったり、見ることができなかった実物をぜひとも見たいと思 い、フィレンツェの旧市街を歩き回るPLANを考えた。ついでに、1日は近くのトスカーナの街歩きをしたいと検討、サンジミニャーノを選んだ。
印象 ・ おすすめポイン ト
高級ホテル でなくとも、フィレンツェは立地を選べば、その宿を拠点に旧市街の街歩きは十分に楽しめる。フィレンツェはどこを歩いても抽象的ではない歴史を実感できる 街なので、何でも知りたくなるし見てみたくなる。ドォ−モやウフィツィ、ミケランジェロ広場、アカデミア美術館など観光名所だけでなく、少し下調べしていくと さらにフィレンツェの懐の深さを感じることができる。
サンジミニャーノは、バスの乗り継ぎが少し面倒で不便さはあるが小さな中世都市の塔の街を楽しめる。塔からの眺めだけでなく、教会の持つ美術も見応えがあ る。



行き先
宿泊地
9月20日(火) 1日目
移動日
FIRENZE
9月21日(水) 2日目
ドォーモ周辺、ウフィッツィ
FIRENZE
9月22日(木) 3日目
バルジェッロ博物館、サンタクローチェ教会、SMノヴェッラ教会、大聖堂博物館
FIRENZE
9月23日(金) 4日目
サンマルコ美術館、サンロレンツォ教会、捨て子養育院、アカデミア美術館
FIRENZE
9月24日(土) 5日目
オーニサンティ教会、SMカルミネ教会、ピッティ宮
FIRENZE
9月25日(日) 6日目
サンジミニャーノ
FIRENZE
9月26日(月)、27日(火) 7,8日目
移動日


前回のツアーでイメージ以上にフィレンツェの街に感激したがあまりにも知らな過ぎる
ので「フィレンツェ史」や若桑氏の「フィレンツェ」高階氏の「フィレンツェ」などを
読み漁り情報を仕入れた。当初、フリータイムの多いツアーを探した
が個人旅行でないと行きたいところには行けない。個人旅行パ
ックから、中心部のホテルを拠点にできるものがあった
のでそれにした。管理人の好きな、足で歩くのを
基本とする街歩きの旅では、★の数が
少なくてもホテルの立地が
第一の条件。


事前行き先リスト
休館日
開場時間AM
開場PM
備考・その他

FIRENZE− CENTRO




1
サンジョバンニ洗礼堂

日のみ8:30-14:00
平日12:00-19:00
内部モザイク、外部彫刻
2
ドォーモ

10:00-
-16:30 (木)-15:30

3
 〃  クーポラ

8:30-
-19:00、(土)-17:00

4
ジョットの鐘楼

8:30-
-19:00

5
シニョーリア広場




6
オルサンミケーレ教会

10:00-
-17:00
オルカーニャ、ダッディ、外部彫刻
7
ヴェッキオ宮殿

9:00-
-19:00 (木)-14:00

8
大聖堂付属博物館

9:00-
-19:30

9
ウフィッツィ美術館

8:15-
-18:50
予約9月21日14:15〜20分前必着
10
ヴェッキオ橋





FIRENZE-S. CROCE




11
サンタクローチェ教会

9:30-
-17:30
ジョット、ガッディ、ドナテッロ
12
 〃 パッツィ礼拝堂
日午前
9:30-
-17:30
ブレネレスキ
13
バルジェッロ博物館
日、月
8:15-
-13:50
ミケランジェロなど多数

FIRENCE− S.LORENZO




14
サン・ロレンツォ教会

10:00-
-17:00

15
メディチ家礼拝堂

8:15-
-16:50
ミケランジェロ
16
サンマルコ修道院美術館
月、日
8:15-
-14:00、土日-18:00
フラアンジェリコ、ギルランダイオ
17
アカデミア美術館

8:15-
-18:50

18
捨て子養育院

8:00-14:00


19
サンティシマアンヌンツィアータ教会

7:30-12:30
16:00-18:30

20
リッカルディ宮

9:00-
-19:00
ゴッツォリ
21
中央市場

7:00-14:00



FIRENCE- S.SPIRITO




22
サントスピリト教会

10:00-12:00
土日11:30-12:00
16:00-17:30
リッピ
23
SMデルカルミネ教会

10:00-12:00
16:00-17:00

24
 〃 ブランカッチ礼拝堂

10:00-
-17:00
日13:00-19:00
マザッチョ、マゾリーノ、リッピ
25
ピッティ宮



共通券
26
 〃パラティーナ美術館

8:15- 
日9:00-13:00のみ
-18:50
ラファエロ

FIRENZE− SM.NOVELLA




27
サンタ・トリニータ教会

8:00-12:00
16:00-18:00

28
サンタマリアノヴェラ教会

9:30-
-17:00

29
 〃 教会美術館

9:00- 日AMのみ
-17:00

30
オーニッサンティ教会

7:00-12:00
16:00-20:00

31
 〃 食堂

月、火、土9:00-12:00



FIRENZE




32
サンミニアートアルモンテ教会

8:30-
-19:00
日14:00-17:00

33
ルッチェライ宮





SAN GIMIGNANO




S-1
ドォーモ広場




S-2
ポポロ宮(美術館)

9:30-
-19:00
リッピ、ピントリッキオ、メンミ
S-3
 〃 グロッサの塔

9:00-
-19:00

S-4
参事会教会

9:30-
-19:10 
日12:30-17:10
ゴッツォリ、ギルランダイオ、クエルチャ
S-5
ROCCA(城塞



眺望
S-6
サンタゴスティーノ教会

7:00-12:00
15:00-19:00


*GALLERIAにアルバムがあります。そちらもどうぞご覧下さい。

  9月20日(火) 移動日

成田発AF279便10:25  →16:00シャルルドゴール空港18:45出発 →20:40フィレンツェ・ペトラルカ(アメリゴベスプッチ)空港着―送迎 →21:40ホテル・ラ・ レジデンツァ着(移動時間 22時間)

イ タリア直行便や日本の航空会社だと割高になるので、安くするためどうしても乗継になってしまう。乗継時間の無駄や手続き、移動の不安もあるがコストを抑えるには、そう した事も経験として楽しむしかない。安い航空券だからといって、ビジネスではないので、翌日午前中着の便では実質的に見て回る日数が減ってしまうので、移 動日は現地でどんなに遅くとも出発日の日付中にホテルに着かない券は買わない。フィレンツェ空港は小さい空港だがヨーロッパ内の国際便がある。直行便の ローマ、ミラノからの移動を考えると、ヨーロッパからの乗り継ぎのほうが早いかも。

今 回は、ちょつと不安だったので空港からホテルまでの送迎タクシーも高かったけど手配した。遅いチェックインだと何かと不安なので。 空港からフィレンツェ 中心部まで意外に近かった。ホテルはなかなかいい立地にある。窓は裏側で何もみえないが小奇麗でおちついた素敵な部屋だ。


  9月21日(水) 2日目 (フィレンツェ第一日目)    

8:15出発→共 和国広場ドォー モクーポラバ ルジェッロ博物館オ ルサンミケーレ教会ヴェッ キオ橋→(昼食)TOP→大 聖堂美術館14:00ウ フィッツィ美術館17:00テラスのカフェ→サ ンジョバンニ洗礼堂→イルパピコ(紙屋)→99円ショップ →(夕食)→サ ンタトリニータ橋(夕景)→ホテル20:30着

ドォーモ・クーポラ
今日は、14:15分にウフィッツィに予約を入れているので、ドォーモからウフィッツィを中心にチェントロ地区を歩く予定にしている。まずは、ドーモのクー ポラに登りたい。本当は夕方がいいらしいが、混んでしまっては困るし。去年 もウフィッツィとドォーモだけは来ているので馴染みのところから慣れながら位置関係を確かめながら歩きたい、というのもある。

初日だけにゆっくり目に起きて朝食。 食堂はきれい。宿泊者用のレストランにもなるらしい。パンもおいしく朝食は満足。
手動の鉄製の枠の中の木箱といった古いエレベーターで降りたホテルの入口が、小さいがブランドショップが並ぶ、トルナヴォーニ通り。ホテルの1階はアル マーニの店だった。いい立地のホテルだと実感。ガイドブック片手に歩きはじめるとホテルの隣りは古い石造りの重厚な建物。ストロッツィ宮殿だ。
リッカルディ宮とならんで、フィレンツェルネッサンスのパラッツォ建築の代表建物。1489年の着工16世紀前半に完成した。ホテルの隣が宮殿とは!。扉は閉まっていて中をうかがうことはできない。
ストロッツィ宮を右に曲がると共和国広場の建物が見える。この広場は、19世紀後半に中世の建物を移動させて作った比較的新しい広場。この広場は古代遺跡 もありフィレンツェの中心点的位置にあり、ここを中心に半径3〜4Kmの範囲に最低見ておきたいものがある。広場 の周りの建物はフィレンツェ的でなくローマっぽい。いろんなストリートミュージシャンが演奏している。周囲にはサボイホテルやお菓子屋のジリがある。

ドーモ屋上vf3広 場を抜けローマ通りをいくと洗礼堂の横のサンジョバンニ広場に出る。ここは、圧巻。洗礼堂の先にジョットの鐘楼、大聖堂。フィレンツェの家並みが全て、黄 土色や茶色の石壁なので、角を曲がったとたんに洗礼堂、鐘楼、白い大理石にピンクと緑の色大理石で装飾された大聖堂がそそりたっている。イタリアンゴシッ ク建築。1296年カンビオが着工し、ブレネレスキがドォーモを完成させたのが1436年。 クーポラの入り口を捜すのに右側の大扉にいったら、反対側ら しく裏をぐるっとまわってしまった。人はいないが入り口があった。チケットを買って階段を登っていく。どこかで5000段の階段と読んだ気がするが、ガイ ドブックを見直したら約500段とあった。

狭 くうねる階段を登っていくと、ところどころに小窓があり景色がどんどん高くなっていく。途中に、ドームの基準のところで内側を半周する。そこは、ヴァザー リが描いた最後の審判の壁画がドームの内側いっぱいに広がる。ドームの傷みがひどい。近いうちに修復するか、観光客をあがらせなくすると思う。そこからま た狭い階段を登っていくと展望台に出た。

展 望台から上は、工事用のパイプで建物がばらけないようにとめてある。せっかくのドォ−モのシルエットが台無しだ。相当に、傷んでいるのだろう。足がすくむ が、フィレンツェの町と周囲の台地まで360度見渡せる。降りたくなくずっとここにいてもいい、という気になる。何度も同じところのシャッターを切ってし まう。この景色だけでもフィレンツェに来た甲斐はあった。

バルジェッロ博物館
次 の目標、ウフィッツィのエリアに行く前にこの周辺での見どころとして、プロコンソロ通りからバルジェッロ博物館にいく。1200年代の行政長官の館を、後 に司法長官(バルジェッロ)の役所になったことでこの名になった。ミケランジェロの多くの彫刻やドナテッロ、ベロッキオ、ポライォーロなどの彫刻が沢山あ る。1400年に実施されたのサンジョバンニ洗礼堂のコンクールで最後に残った、ギベルティとブレネレスキの「イサクの犠牲」の本物もここにある。建物自 体、中世の装飾もいいし、ゆとりのある展示もいい。イサクの犠牲の2枚の前は、学生が講義を聴いていてなかなか場所があかなかった。ヨーロッパの美術館や 教会の壁画の前では授業をしている光景を良く見る。フィレンツェで彫刻を見るなら第一はここだろう。2番目は大聖堂博物館か。観光客も多いが、それだけ良 いものがそろっている。

ヴェッキオ橋〜大聖堂付属美術館
ウ フィッツィの予約時間まで時間があるので、去年行かなかったヴェッキオ橋にいってみる。途中で、オルサンミケーレ教会の外周の彫刻をみることにした。オル サンミケーレもカンビオの設計により1240年に建てられたが火災で焼け1337年に再建された。当時は1階が小麦市場で、2階に礼拝堂があった。内部は オルカーニャなどの作品があるとのことだが、知らない作家なので中に入らず、外部だけ見る。壁面の壁龕には14から16世紀にフィレンツェの彫刻家により 飾られた。ギベルティ、ベロッキオ、ドナテッロ、などが作っている。ギリシャ、ローマの彫刻と違い線のほそいすっきりした、それでいて存在感のある彫刻が 続いている。現在のものはコピーで本物は、大聖堂博物館にある。

観 光客があふれ出した道をぬける。ヴェッキオ橋は、去年ウフィッツィから見ただけ。貴金属の店が連なり、ヴァザーリの回廊が上を通っている。アルノ川の流れ を見ているのも見飽きない。もともと橋の上は肉屋が連なっていたのを、メディチの人間が回廊を歩くと匂いがだめだ、と移転させたあと貴金属商の集まる道と なった。足だけが疲れて痛くなってきた。昼も過ぎたので軽く食べようと、娘が調べてきたパニーニの美味しい店というのが、オルサンミケーレの脇にあったの で、結局そこまで戻る。

やっ と座って一息つけた。パンよりも中の具がおいしい。ビスケットのようなものも美味しかった。値段は、パンだけとテーブルに座ってパンを食べるマグダラのマリアvf2のでは値段が 違う。それでも座りたかったし、コーヒーも飲みたかった。ここまで戻ったついでに、大聖堂(ドォーモ)美術館に行こうとドォーモの裏側にいく。
14 世紀のドォーモのファサードを飾っていた彫刻やギベルティの天国の門のオリジナルなど彫刻が中心の大聖堂の美術館。ミケランジェロの晩年のピエタなどもあ る。カンビオの聖母子像がみたかったのに、修復中なのかタレ幕がまわされ見ることができない。ドナテッロとロッビアの聖歌隊席もヴァザーリにはずされて今はここ にある。洗礼堂にあったドナテッロのマグダラのマリア像も異彩を放っている。バルジェッロに劣らず彫刻作品は素晴らしいものばかり。

14:00少し前になったので、ウ フィッツィにいく。


ウフィッツィ美術館
予 約券を引っ張り出し、予約センターに行くと券に換えてくれる。予約者用の入口にいくと直ぐに入れてくれた。一般入り口には長い列ができウフィツィvf14ている。ウフィッ ツィは写真は全くだめ。少し前まではよかったそうだが。ここは2回目だが、この前は2時間のフリータイムだけで立ち寄れなかった部屋も多い。今回、見な かった部屋も全部をゆっくり見た。去年は下準備なしに来たので、すごいとしか思えなかったが、今回は中世美術からルネッサンスへの変革への移行段階に関心 があるので見方が違った。まだどれが誰の作者かなど区別もつかないものもあるが。チマブーエ、ドウチョから始って、ジョット、マルティーニ、ロレンツェッ ティ、マザッチョへ、さらにルネッサンスの巨匠達へと続く変化を追えるのがうれしい。勿論、ミケランジェロ、ラファエロ、ダビンチやボッティチェリ、リッ ピ親子、ギルランダイオ、ポッライオーロなど、どの絵も素晴らしい。カラバッジョまで一度最後まで見てからこのまま去りがたく2階にもどる。休憩がてら屋上 のテラスでお茶を飲んだ。このテラスからは、ヴェッキオ宮殿の塔がすぐ目の前にあサンジョバンニ洗礼堂vf10る。娘は文句を言わず着いてきてくれるので助かる。連れがいても自分のわ がまま街歩きができるのは幸せというものだろう。

ヴァザーリの回廊も入りたいが個人で は無理のようだ。回廊はヴェッキオ宮殿から川をわたりピッティ宮までつながっている。
足 は痛くなってしまったが、まだ夜まで時間はある。余裕がなければ見なくてもいいか、と考えていたサンジョバンニ洗礼堂は19時まで入れるので、行ってみる ことにする。ここは外側の彫刻だけが有名で観光客も中に入る人は少ない。中は思ったより広い。1270年代までに内部装飾はできたが、そこからモザイク装 飾で1300年代に完成。最後の審判、ヨハネ伝などが金地のビザンチン風モザイクでびっしり描かれている。フィレンツェで最も古い洗礼堂建築。

1 日目にして詰め込みすぎか、頭が興 奮気味。鑑賞するのも体力がいる。 夕食どころを探しながら、髭剃りを忘れてきたので薬屋とか雑貨屋を何軒かのぞくが置いていない。フィレンツェの特産、 マーブル紙を飾った紙屋を覗いた。買う気はなかったが、熱心に片言の日本語で説明され買わざるをえなくなってしまった。 夕食は娘の選ぶ店におまかせで入 る。うまかった。


  9月22日(木) 3日目 (フィレンツェ第2日目) 

8:30ジョッ トの鐘楼 →ヴェッ キオ宮殿 →サ ンタクローチェ教会 →(昼食)ピザ屋→ サンタマリアノベラ駅 →SITA社→サ ンタマリアノベラ教会 →カッライア橋 →サ ンタトリニータ教会 →サ ンティシマ・アンヌンツィアータ教会→スタンダ→川沿い→19:30ホテル着(部屋で夕食)

ジョットの鐘楼
今 日は、チェントロの昨日行かなかったところとサンタクローチェ地区に行く予定。まず、ジョットの鐘楼に登りたい。サンジョバンニ広場もまだ観光客はいない ので道が広い。移動型のツアーでない旅の良さの一つが早朝と夕景だ。静かな古都を感じることができる。早朝にも関わらず掃除してあるのもうれしい。ドォー モ 側に入口がある。チケットを買い上りだす。鐘楼の階段も狭い。約420段だそうだ。ところどころに小窓があり、だんだん高くなるのがわかる。途中の鐘つき 台では床下が覗けて見えてしまう。恐怖感がわいてきた。

ジョッ トの鐘楼は1334年ジョットとピサーノで建築が始り、1359年に頂上が載った。高さは85m。細身の鐘楼はドォーモと同じく3色の大理石で飾られてい て軽やかに見える。基部に飾られていた彫刻はドォーモ博物館に今はある。この彫刻群もいろいろな職業や当時の風俗が彫られていて往時の生活を知る資料でも あるらしいが。本来の意味はどんな人間にも信仰の恩恵が行き渡ることを示していると読んだ気がする。但し、高いところにある彫刻や絵画は人間には見ること ができない。塔の頂きは狭いが一周できる。今日は誰もいないので頂上を独占して、ドォーモを間近に見ることができる。ドォーモの展望台からとはほんの少し 西になるが、視点が違って見えるので、フィレンツェの360度のパノラマも違って見える。昨日、カプチーノを飲んだウフィッツィのカフェはシニョリーア広 場に面したランツィのロッジアの上だった。頂上には、細い金属の棒で網のように囲ってあるが、ドォ−モより今日は風があり、恐怖感を感じて足がすくむ。但 し、眺望は素晴らしくいつまででも見ていたくなる。

ヴェッキオ宮殿
鐘楼を下り、昨日混んでいたヴェッキオ宮殿に行ってみる。カルツァイオ通りを抜けシニョリーア広場行く。少し並んでいたがチケットではなく、手荷物検査の 列だった。宮殿や美術館ではどこも空港のように警備が厳しい。
ヴェッキオ宮殿はシニョリーア宮とも呼ばれ1299年のカンビオの設計。石組みの簡素な外観のゴシック建築。中は、現在半分以上が市役所に使われ、見学で きるのは一部だ。

ミ ケロッツォの設計した中庭をとおりチケットを買ってから、階段を上ると五百人広間。ミケランジェロの彫刻やコジモ1世の依頼でヴァザーリの工房が書いた大 壁画がある。この壁画の下には、有名なミケランジェロとダビンチが競作しながら両方完成しなかった絵がある。五百人広間では何かのカンファレンスが行わ れ、宮殿を見学しようとすると止められた。どこにも行けないので、聞いてみたらチケットを見せろという。最初から言えばいいのに。やっと通してくれ見学で きる。広間の一画には絵画で埋め尽くされたフランチェスコ1世の書斎がある。左側にはレオ10世の間も。3階に上るとヴァザーリが装飾した元素の間などの 部屋とサトルヌスの回廊がある。1階中庭のキューピッドはコピーで、3階には本物のベロッキオのキューピットがある。見学できるのは一部と言え結構広い。

サンタクローチェ教会
宮殿を出てからサンタクローチェ教会へいく。間の道も石造りの建物と石畳の細い街路が続いている。建物はそのままに中の店は現代の店ジリvf4だ。教会前の広場にも 観光客があちこちに固まっている。去年は、サンタクローチェ教会のこの広場を早足に通りすぎただけだった。

サンタクローチェ教会は13世紀には 立てられていたフランチェスコ会の教会。カンビオの設計といわれるが明確ではないらしい。1385年に本堂は完成している。内部は広い空間が作られゴシック式 でありながらルネッサンス様式の幾何学的なデザインとなっている。

内 部には、著名人の墓があるので有名。ヴァザーリ作のミケランジェロの墓、マキャベリの墓、ガリレオの墓、ロッシーニの墓もある。奥の礼拝堂には、ジョット のフレスコ画、聖フランチェスコ伝、ヨハネ伝などがある。ギベルティの墓は補修中らしく幕で囲われていて見ることができない。回廊に付属した旧食堂は美術 館となりガッディのフレスコ画やチマブーエの十字架像もある。教会から続くパッチィ家礼拝堂はブレネレスキの建築。パッチィ家はメディチ家に対抗した一 族。外観デザインがかわいい。外にでると 付属の美術館が隣接している。こちらにも美しい多翼の祭壇画などが多数ある。

サンタマリアノヴェラ教会
も う昼だ。足が疲れ、お腹もすいてきた。午後は、サンタマリアノヴェラ地区に行くので、そっち方面で食べようと、娘が調べてきたファーストフードのピザ屋が駅の 近くにあるというので、行ってみる。ちゃんとしたピザ屋でなく安いピザ屋というのが我々の旅らしい。なるべく同じ道を歩かないように新しい道を選んでい く。一旦トルナヴォーニ通りへ出て広いパンツァーニ通りへ出る。

こ のあたりは、雰囲気が全く違う。下町のように雑然として、人が多い。スリの多いところ。それらしいファーストフードがあったので入って見る。どう注文する か分からず、絵で選んだ。確かに、ファーストフード屋ながら石釜でその場で焼いている。店内はポップなイタリアンカラーでパイプ椅子とテーブルという軽い のりの店だ。私の好きな薄いパリパリのピザで、焼きたてでうまい。座れて少し休めた。

サ ンジミニャーノへのバスのチケットを買うターミナルも近いので行ってみることにして、まず、サンタマリアノヴェラの駅を見ようと地下道をくぐる。駅舎に入 るといきなりホームになっている。電車は、国際列車や、イタリア主要都市を縦貫する列車、近郊への電車が出入りする。しかもフィレンツェはほぼイタリアの 中間にあり、北へも南へも同じホームから出ている。切符の買い方も乗り方も難しそうだ。

駅 をぬけて、長距離バスのSITA社のバスターミナルを探すが、表通りからはそれらしいところが見当たらない。地図を頼りに探すとビルの中にターミナルがあった。一応、 下見のつもりで中に入ってみる。ちょうど、切符売り場がすいていたので、書いてきたメモを渡して、用意してきた片言の会話で、往復チケットを買ってみた。 買えた。何番線からでるか聞くと4番で、ポッシボンジで乗り換えとも言っていた。時刻表もくれた。ガイドブックには、当日は混雑するので、前の日までに 買っておいたほうがいいとあったが、その通り。アットいう間に切符売り場は行列ができる。有効期間は分からないが、乗るときにチケットを打刻すればいいら しい。予定では、日曜日のつもりだったが、娘が最終日でないほうがいい、というので、土曜日に行くことにする。但し、オーニサンティ教会は土曜の午前中し か入れないので、教会に行ってからバスにのるという計画にした。切符が買えて一安心。次は、サンタマリアノヴェラ教会にいく。

サンタマリアノヴェラ教会はドォーモ より早く、1246年に着工されたドメニコ派の聖堂。ゴシック様式ではあるがフィレンツェ独自のスタイルを作ったといわれる。ファサード上部の設計はアル ベルティといわれる。ここも多くの見るべきものがたくさんある。

リッ ピのヨハネとピリポ伝、ギルランダイオのマリア伝、ヨハネ伝、ブレネレスキの十字架像、ジョットの十字架像、マザッチョの三位一体、ピサーノの聖母子など など特にマザッチョの三位一体は遠近法を具体的に描いた初期のものだ。内陣のフレスコは高いところに描かれていて全体はよく見えない。教会内部は広い。緑の回廊に は、これも有名なウッチェルロのノアの洪水の壁画があるが、どこから行くのか分からない。、聞いてみたら、一旦出て隣のドアから入るらしい。チケットは別 に買わされた。静かな中庭を囲んで回廊があった。フレスコ画は傷みがひどい。どこがノアの洪水の場面かわからないほどだ。付属の美術館も回廊からいく。サ ンタマリアノヴェラ駅側から教会へくると教会の後ろ側しか見えない。外に出て振り返ると、三色の色大理石でできた特徴のある正面がやっと見える。正面の広 場がサンタマリアノヴェラ広場だ。


サンタトリニータ教会
外 は日差しが強く暑い。そういえば、まだ、ジェラートを食べていないということで、これも娘が調べてきたサンタトリニータ橋の袂のジェラート屋に行こうと川 に向かってフォッシー通りを歩き出す。小さなゴルドーニ広場から渡る橋はカッライア橋だ。橋をわたりサントスピリット側のアルノ川沿いにグッチャルディー ニ川岸通りを歩いてサンタトリニータ橋の袂に行く。さすがに種類が多い。様々な色が並んでいる。コーンかカップか一つか2つか、選ぶのも一苦労だ。ジェ ラート屋の店先に座って食べながら一休みする。確かにどれも美味しい。サンタトリニータ教会は木曜の16時から18時が見学できる時間なので、休んでから 行く。橋を渡って、泊まっているホテルに近い教会だ。ドアが閉まっているが、スイングドアで押したらすんなり入れた。内部は暗いが落ち着いて、外の喧騒が 届かない。ここもいい絵がある。ロレンツォモナコのマリアの生涯と受胎告知、ギルランダイオのフランチェスコ伝、牧者の礼拝、それに入り口脇には骸骨の浮 き彫り。サンタトリニータ教会は典型的なフィレンツェのゴシックの教会建築。

サンティシマ・アンヌンツィアータ教 会
事前に行きたい行き先リストを作っておいたが、予定以上に見てまわれている。今日はまだ時間もあるので、ここからはちょつと歩くが、サンティシマ・アンヌ ンツィアータ広場と教会に行ってみることにする。

ま だ2日目だが、大体の方角もわかってきたが、同じところをいったりきたりして無駄な動きをしてはいる。足は痛いし疲れるが街歩きそのものは楽しい。サン ティシマ・アンヌンツィアータ広場は、サンティシマ・アンヌンツィアータ教会、捨て子養育院、グリフォニ宮に囲まれた広場。ルネッサンス様式の軽やかな アーチが続く柱廊で囲まれている。広場の中央にはジャンボローニャ作のフェルディナンド1世騎馬像と17世紀になって作られた噴水がある。この広場は今ま での歩いてきた広場と印象が違う。観光客はおらず、地元の人間ばかり。その人たちもイタリア人でなくちょっと怖そうな感じだ。何をされるわけではないが睨 まれているような気配だ。多少急ぎ足で正面の教会に行く。サンティシマ・アンヌンツィアーヴェッキオ橋vf13タ教会は13世紀に創建され、15世紀にミケロッツォに再建され た。入口の柱廊玄関は誓いの回廊と呼ばれ、フィオレンティーノ、ポントルモ、アンドレア・デルサルトによるフレスコで飾られている。玄関のスイング式の扉 を押して入ると内部は暗い。内部にもミケロッツォのヨハネ像、などがあるはず。ミケロッォの入ってすぐの小礼拝堂もきらびやかなのはわかるが何せ暗い。そ この受胎告知の絵は天使が描いたものと信じられている。近くでみたいが、ミサ中で近づけなかった。

美 術館や教会でガイドブックがあれ ば、日本語でなくても買いたくなる。数冊でも本は重い。サンティシマアンヌンツイアータから今日はここまでとスーパーのスタンダにいく。土産用にお菓子類 などを買い、夕食もトラットリアでなくここで買おうと生ハムやトマト、果物、ヨーグルト、パン類、それに水も買った。ここからホテルまで距離はあるが、ど うせならアルノ川沿いに帰ろうと思いショッピングバッグをさげていく。アルノ川に夕闇がせまり空もピンク色になり美しい。ホテルは川に近いのでその意味で もこのホテルはよかった。やっとホテルに着く。19:40分。2日目もフィレンツェを堪能した。

  9月23日(金) 4日目(フィレンツェ第3日目) 

8:10出発 →サ ンマルコ修道院 →サ ンティシマ・アンヌンツィアータ教会捨 子養育院→ メ ディチ家礼拝堂サ ン・ロレンッツォ教会 →(昼食)トスカーノ →中 央市場 →リッ カルディ宮→(ジェラート屋)→(電話)ホテル→ルッチェライ宮→サ ンタマリアノヴェラ薬局 →ア カデミア美術館 →(パン屋)プギ →(カバン屋)クレメンテ →ホテル着19:30分 (ホテルで夕食)

 
サンマルコ修道院
今 日の目玉はサンマルコ修道院。ドォーモの北側を中心に見て歩く予定。娘がサンマルコを予約してくれているので、早めに出かける。朝は観光客がいないので気 持ちがいい。サンマルコ広場には何するともなく地元の人間があちこちにいるが、オープン時間にはまだ早い。近くに行ってみようとドアに近寄ると入れそうな ので入る。小さな中庭を回廊が取り囲んでいて、回廊にはフレスコ画が描かれている。どこから見てまわったらいいのか分からないので、1階を先ずひとつづつ 見てまわる。

サ ンマルコ修道院はそのまま博物館になっているが、博物館とは思えない。1427年ドメニコ派の修道院になった時からコジモが支援し、フラアンジェリコvf121437年ミケロッ ツォが改修したあとフラ・アンジェリコが壁画を書いた。アンジェリコは通称で、ジョバンニ、もしくはグイド・ピエトロが本名という、修道士ながら絵をロレ ンツォモナコに学んだといわれ、修道院長になってからも絵をかいていた。ここには、サボナローラの部屋もある。サボナローラもここの院長になって、メディ チを追いやったサボナローラの部屋には火あぶりの絵もあった。 1階の回廊も部屋の中にもアンジェリコの大作がある。1階をひととおりみて、2階への階段 を探し、上っていくと階段の先に、いきなり受胎告知が唐突にありびっくりする。 2階は小さな僧房がならんでいて、その一つ一つに聖書にちなんだフレスコ がある。どの絵をアンジェリコが描いたかはわかっていて、そうした小部屋を重点にみていく。他の僧房の絵との違いは、正直なところ分からない。突き当たり にサボナローラの部屋がある。また、メディチの小部屋もあった。2階もほぼ見てから1階の書店に入って、驚いた。ギルランダイオの最後の晩餐があった。遠 近法が確立した奥行きと立体感のあるフレスコにしては鮮やかで、本物なのだろうかと思った。受胎告知と同様に来たかいがある。資料のコピーしか旅行にはもってこな かったが、フィレンツェは旅のガイドブックでなく、本を見ながら歩きたいところだ。サンマルコも見ごたえがある。

捨て子養育院
サ ンマルコを出て、路地をぬけ昨日良く見えなかった受胎告知のあるサンティシマ・アンヌンツィアータ教会に、又いってみる。残念ながら、また説教をしていて 近づけない。しかたなく直ぐに出て、隣りの捨子養育院にいく。ここはブレネレスキが設計したフィレンツェで初期のルネッサンス建築として知られる。メディ チが孤児のための福祉施設として作ったもの。また、メディチ一族の精薄の外にでられない娘のために、2階に回廊を作ったことでも知られている。また、1階 の柱楼のはずれには子を誰にも知られずに置いていける回転扉も残っている。中に入ると中庭に立ち入り禁止の柵があり、せっかくの建築が台無しだ。2階は小 さな美術館がある。知らない作家のものばかりだが、フィリッポリッピの聖母子があった。

サンロレンツォ教会・メディチ家礼拝 堂
すっ かり忘れていたがブランカッチ礼拝堂は予約が必要とあって、ガイドブックでそれを見つけ、ホテルの部屋から電話しようとしたがうまくつながらない。公衆電 話を探しながら歩く。捨子養育院からメディチ家の菩提寺といえるサンロレンツォ教会とメディチ家礼拝堂に向かう。先に礼拝堂に入る。メディチ家礼拝堂はサ ンロレンツォ教会の後ろに接している。ミケランジェロの設計による新聖具室とジョバンニメディチの設計による君主の礼拝堂がある。新聖具室には、曙、夕暮 と名づけられた有名なミケランジェロの彫刻がある。君主の礼拝堂は、その広さの中にこれでもか、という豪華さを盛り込みメディチの紋章が圧倒する。

  一旦、外へ出て、サンロレンツォ教会にいく。サンロレンツォ教会は、ここもブレネレスキが13世紀半ばに再建したルネッサンス様式建築の一つ。 もともと は4世紀に建てられた教会。再建費用をメディチを含む貴族が出したが、ルッカとの戦争で中断。その後コジモの支援で再建されメディチとのつながりができ た。ブレネレスキの死後、1460年に完成した。ファサードは、ミケランジェロらがプランを出したが、粗いレンガ積みのまま未完となった。外観とは全く違 い内部は広く荘厳。フィリッポリッピの受胎告知、フィオレンティーナ、ドナテッロの説教壇などなどの作品がある。


中央市場
サ ンロレンツォ教会やリッカルディ宮のあるエリアは、露天商がぎっしりとならぶ雑然としたところになっている。 もう昼なので、食事をどこにするか検討。娘 が市場の近くにトスカナ料理の店があると調べそこに向かう。リッカルディ宮の後ろのデジノリ通りからグエルファ通りに左折して直ぐに見市場vf6つかる。トスカーノ という店。オープン直後らしく人はいなかったが、食べていたら地元客ですぐに満員になった。イタリアで始めてミートソーススパゲッティを食べた。ポルティ ニ茸の合えたものもとっても美味しい。ガーリックトーストにトマトサラダを載せたブルスケッタも美味しい。ここから中央市場が近いので覗いてみる。生鮮も のの市場で魚くさい。魚、肉、野菜の大半の店はもう閉まっている。

お土産屋やお菓子屋は開いているが、 それほど安くはない。日本人の働く店もあるが高い。日本人のいる店はどこも高い気がする。今日も、予定してきたところは見終わったので、行っていないとこ ろで見たいところを検討、リッカルディ宮にいくことにする。又戻ることになるが。

 
リッカルディ宮
リッ カルディ宮はコジモにより、ミケロッツォが1444年設計。当初は正方形だったが、16世紀後半にリッカルディ家が横長に拡大した。1階の石組みから上に いくほど軽やかになり、特徴ある窓は後にマニエリスム建築の主流となった。現在は、大半に役所と民間のオフィスが入っている。見られる部屋は豪華。図書室 もミケロッォの設計らしい。奥の礼拝堂にはゴッツォリの東方の3賢王がある。美術関連の本では平面に広がっているように表されているが、実際はせまい部屋の 周囲にくまなく描かれているので、見にくい。色は鮮やかに残っている。この絵の中に、メディチ家の人間の顔を描いているのでも有名。

サンタマリアノヴェラ薬局
リッ カルディ宮からでてから、昨日寄るのを忘れた、サンタマリアノヴェラ薬局に行くことする。同じ道を通らないように歩いて、ジェラートの店で一休みするため ドォーモの裏側にいく。このジェラート屋も人気らしい。おいしいが、休みたかったのに座るようなところが全く無かったのは残念。 路地を抜けサンタマリアノヴェラ広 場に出た。サンタマリアノヴェラ薬局は、1612年に薬局として開業した、フィレンツェの山野草を使ったハーブの製品や香料、香水の店として有名。外観からは想像もつかないが優雅な店。香水を買う観光客で混んでいる。 娘はいろいろ見た挙句何も買わなかった。確かに、香水なのか部屋のフレグランスか区別はつかない商品が多かったが。

店 を出るとまだ、4時過ぎ。これからの予定は何もないのでどうしようと考えてしまう。どうせなら、並んで時間をつぶす手もあると、また道をもどることになる がアカデミア美術館に行くことにする。心配は、ならんでいるうちに閉館時間になりかねないことだ。ここからだと20分はかかるかな。もうなれた方向なので 足が痛いが、人ごみを抜けていく。


アカデミア美術館
アカデミア美術館はミケランジェロのダビデ像だけだろうと思いこんでいて、今回の旅では特によらなくてもいいか、と予約も検討しなかった。
カブール通りの角を曲がると、昨日よりは多少列は短いがまだ結構ならんでいる。十数人づつ時間をおいて入れているようだがなかなか進まない。17:40分 にやっと入れた。待ち時間は50分。

ダ ビデ像以外にも13世紀から16世紀の絵画がたくさんあった。観光客はダビデ像だけをみている感じ。他にもミケランジェロの工房の作品もあるが未完のよう なものばかり。でもダビデ像は、さすがレプリカのブロンズとは大違いだ。大理石のこの体は賞賛されるだけのことはある。ここは写真はだめと小柄なオバサン がフラッシュがたかれるたびにヒステリックに走りまわっている。

サンマルコ広場の前においしそうなパ ン屋があったので、買って帰ろうと入ってみた。が、買い方がわからない。物を店員に指定して伝えお金を払うとレシートをくれる。そ のレシートをもってショーケースに行くと品物を出してくれる。レシートを出すのもお客の順番がありそうで、にらまれた。先に品物を選んで店員に伝えるのが 難しい。

  9月24日(土) 5日目(フィレンツェ第4日目) 

8:15出発 →オー ニサンティ教会→9:30SITA社ターミナル→9:40シエナ行きバス(プルマン)→10:35ポッシボンジ11:05→11:30サン ジミニャーノ着(サ ンジョバンニ門 →ポ ポロ宮グ ロッサの塔参 事会教会城 塞→散策→(昼食)ピザ屋)→散策→(ジェラート屋)→15:25 サンジョバンニバス停 →15:40ポッシボンジ行き →16:00ポッシボンジ16:25フィレンツェ行き→17:30フィレンツェSITA社ターミナ ル→ゴルドーニ広場→(タクシー)→ミ ケランジェロ広場 →サ ンミニアートアルモンテ教会→ミケランジェロ広場 (バス)→サンタマリアノヴェラ駅脇バス停 →20:00(夕食)マリーノ→ホテル着 21:10分 

オーニサンティ教会
今 日はサンジミニャーノにいく。その前に、土曜の午前中しか入れないらしいオーニサンティ教会にいく。8:30オープンだが近いし早めにいくことギルランダイオvf5にして川ぞ いを歩く。早朝は気持ちが良い。地図では、川から2筋目の通りにあるが、教会の前が広場になっていて、川からすぐだった。教会の中はどこも荘厳だが、観光 客がいないせいで、よけいに厳粛な気分になり、絵だけをみるのが気がひける。オーニサンティ教会は、13世紀に建てられたが、17世紀に改修されフィレン ツェ最初のバロック調のファサードがつけられた。アメリカ大陸を発見したベスプッチの一族の礼拝堂にはギルランダイオの壁画があり、ボッティチェリとギル ランダイオの壁画もある。有名なミケランジェロに影響を与えたというギルランダイオの最後の晩餐のある食堂が見つからないので、片言で修道士さんに聞いた ら、外へ出てとなりと教えてくれた。こじんまりした中庭から食堂にはいると正面に最後の晩餐があった。学生の一団が先生に説明を受けていて最初は遠くから 見ていた。サンマルコのものより色は沈んでいるが素晴らしい。 フレスコ画の下絵として書くシノピアも食堂に飾られていたが誰のものかわからなかった。バ スの時間を忘れてしまっていた。

             
サンジミニャーノへ
時計を見ると9:20分。40分のバスにのれるので、フィニグエラ通り、アルベルト通りを急いで、SITA社のバスターミナルへいく。4番乗り場には、も う人がならんでいた。バスが入ってきて人が乗り始めた。
バスの行き先をみると、シエナ・ダイレクトとなっている。ポッシボンジで停まるか不安になり運転手に聞いてみると、停まるらしい。乗客の最後に乗り込むが ちょうど座れた。

定 刻に出発して、サンタマリアノヴェラ教会の脇を通り、カッライア橋をわたり城壁の内側から外側に出て、ローマ門の脇から郊外に出る。直ぐにバス停時刻表vf9山道と丘陵地帯 に入っていく。途中高速道路を走るので景色はよくない。高速をおり、約1時間でポッシボンジのバス停に着く。10:35分。バスのターミナルを想像してい たら、ただの道端のバス停だった。サンジミニャーノへのバス停は、道の反対側らしい。バスは30分後の11:05の予定だ。

時刻表は分かりにくい。平日、休祭日 で違うが土曜日は平日時間のようだ。ポッシボンジをぶらついてもいいが、不安なのでバス停で待つ。このバス停はサンジャミーノへ行くにもフィレンツェにも どるのもここらしい。

  バスは予定通りの時間に来た。こちらの人は並ばないでどこからわいてきたのかたくさんの人が乗り口に殺到する。早いものがちらしい。遅れたが座れた。車窓 は、トスカーナのぶどう畑とひまわり畑や牧場の風景だ。やがて遠くの山のほうに塔のある町が見え出す。約25分でサンジミニャーノのサンジョバンニの門に つく。ここから中へは車は入れない。広場で帰りのバス停を確かめる。15:40分のバスで帰ることにする。

サ ンジョバンニの門を抜けると登りの坂の両側に、みやげ物の陶器屋やレストランが並ぶ。トスカーナのどの城塞都市も山の上にあるので、周囲の田園と丘陵地帯 の景色は美しい。日差しが強く暑い。まず、街の中心チステルナ広場に行ってみる。サンジミニャーノは9世紀ごろには都市として繁栄していた。塔は富の象徴 として80近くの塔があったらしいが、現在は14本が残っている。どうして富の象徴が塔だったのかは不明。中は階段すらなく煙突のような塔だった、と聞 いたことがある。近くで見ると塔は高く写真に入りきれない。チステルナ広場に続くドォーモ広場にいく。参事会教会ののっぺりとしたファサードがそびえる。

ポポロ宮・グロッサの塔・参事会教会
参 事会教会の左側は13世紀に建てられたポポロ宮で、今は市庁舎と美術館になっている。ダンテの間にはメンミのフレスコ画。上の部屋にいくと多くの絵があ る。シエナ派やフィレンツェ派の名前の知らない作家のものばかりだが。フィリピーノリッピのトンドの他、フィオレンティーナやゴッサンジミニャーノvf11ツォリの作品も多くあ る。美術館の中から、唯一上ることができるグロッサの塔にいく。鉄製の階段は隙間が広く足がすくむ。最後の階段はただの梯子だ。塔の上は10m四方くら い。眺めは本当に素晴らしい。トスカーナの田園風景がかすみの中にひろがる。癒される風景だ。周囲を見渡していると飽きないし、降りる気がしない。

塔 を降り、参事会教会にいく。12世紀に建てられた建物は3身廊に区切られたロマネスク様式。入口にはデル・クエルチャの受胎告知。バルトロの最後の審判は 見つからなかった。ダ・シエナや、マイアーノの作品もあるらしいがどれがどれかわからない。周囲の壁面を飾るのはギルランダイオの聖女フィーナの生涯とい うきれいに残ったフレスコ。

城塞
教 会を出てドォーモ広場を抜け、参事会教会の裏側の細い坂道を登る。公園のような広場の先に城塞の跡とおぼしき石組みが並んでいて突端に見晴台のような一画 がある。ここも展望台のように周囲が眺められる。同じ道を通らないようにもどり、食事するところをさがす。いいレスストランはけっこうあるが、それほどの 食欲もないので、カフェを探すがどこも満席ですわれそうもない。途中で見かけたピザ屋が美味しそうだったので、ピザを買い、参事会教会の前の階段に座って 食べた。

フィレンツェへもどる。
チ ステルナ広場が絵になる、と写真をとりながら、裏道をぶらぶらしながら戻ることにする。暑いのでジェラート屋にいく。他にはない味のうまいジェラートだっ た。ぼちぼちとサンジョバニ門に戻り広場のバス停にいく。もう大勢バスを待っている。時間どおりに15:40分バスが来た。ポッシボンジの同じバス停につ いたが、時刻表を見るとフィレンツェ行きは16:25分だ。バス停は日陰がなく暑いが、ここで待った。今回も時間になると人がわいてきて、混雑。バスはも う混んでいる。頑張って1番に乗ったら2つだけ空いていて座れた。フィレンツェの街は道が狭く、車が通る道はほとんど一方通行。バスはビットリア橋からサ ンタマリアノヴェラ駅のずっと北側から戻ったのでどこまで連れていかれるか少し心配になった。バスは遠回りして17:30分サンタマリアノヴェラ駅のバス ターミナルに着いた。


ミケランジェロ広場
今日はバスに乗ったので、足も疲れておらず、サントスピリト教会にいくか、途中でタクシーが捕まえられたらミケランジェロ広場にいくことにし、まずサン フェリーチェ教会を目指して歩くことにした。
カッライア橋のそばでたまたまいたタクシーを捕まえて、ミケランジェロ広場にいくことにした。今回の旅で初めてタクシーに乗った。

ミケランジェロ広場は去年も来たが、 あいかわらず観光客が多い。我々もその一部だが。夕暮れのフィレンツェの市街が見渡せる。ここも見飽ミケランジェロ広場vf7きないところだ。

サンミニアートアルモンテ教会
そ ういえば、サンミニアートアルモンテ教会の前庭も眺めがいいとどこかで読んだ覚えがあるので、まだ、あいているならと行くことにする。ミケランジェロ通りをいくと意外と 近かった。通りから階段を登ると、ロボットの顔のような特徴あるファサードが見える。振り返るとフィレンツェ市街の左半分が見渡せる。

サ ンミニアートアルモンテ教会の大本は、ローマ帝政の3世紀にはあったという修道院で、地下聖堂や内部にも不思議な意匠のものが多いので有名。今の外観 は13世紀ころのもの。緑の大理石で装飾されたロマネスク様式。まず、中に入ろうと行くと、扉の中は暗い。ミケロッツォの十字架のあるポルトガル枢機卿の礼拝 堂もある。フレスコのある部屋は特に暗すぎる。おまけにミサ中で、祭壇は見られない。ガッディのフレスコもあるが暗く良く見えない。外に出てみると、夕日 が沈んでいくところだった。そこここにいる人も立ち去る気配はない。皆景色にみとれている。 ここからどう帰ろうか、タクシーを拾うかバスにのるか。バス のチケットはバールで買えると有料トイレのお兄ちゃんに聞き、バールにいく。1人1ユーロだった。切符を買ってから最後にまたミケランジェロ広場まで戻り バスの時刻表を確かめる。アルノ川沿いにフィレンツェの街に明かりがともりだすのをみた。今日も一日が終わっていく。 時間になったのでバス停にいく。バ スに乗ってまず、打刻。外は暗くなってしまった。サンタマリアノヴェラ駅の左側にバスの終点。

9 月25日(日) 6日目(フィレンツェ第5日目) 

8:40出発 →ピッ ティ宮パ ラティーナ美術館グ ロッタボー ボリ庭園陶 磁器博物館)→(昼食)サントスピリト地区散歩→14:40サ ンタマリアデルカルミネ教会サ ントスピリト教会→ドォーモ→スタンダ→ホテル着19:30分

ピッティ宮
今 日でフィレンツエは終わり。15:00にブランカッチ礼拝堂を予約している。ホテルのフロントの人に予約の電話をしてもらい予約できた。まだ歩いていない サントスピリット地区を中心にいく。サンタトリニータ橋を渡り、サンジャコポ通りを抜けて、ヴェッキオ橋を抜けた道と合わさるとグイッチャルディーニ通り へ入り、ピッティ宮殿にいく。

ピッ ティ宮は大商人ピッティが15世紀後半に作った家をコジモ1世が買い取り、妻エレオノーラが住んでいた。中央部分がブレネレスキの設計では、と言われてい る。1559年アンマンティーナにより横の翼棟が拡張。17世紀前半に現在のようなファサードになった。その後、1895年までは、歴代のトスカーナ大公 が住む宮廷となった。(イタリア王国が宣言されたのは1861年。フィレンツェが首都になったのが1865年、ローマに首都が移ったのが1871年)チ ケットを買おうと右奥の切符売り場に行ったら、今日は無料だって。ラッキー。

入 口で手荷物検査を受けたあと、直ぐの中庭の噴水を見る。広すぎてパラティーナ美術館への入口が分かりにくい。階段を上がっていくといきなり絵が飾ってある 部屋になってしまう。ガイドブックの部屋の位置関係を確認しながら見ていく。30あまりの部屋が隣りあっているので、どの部屋か分かりにくい。絵はものす ごい点数がある。選んで見るのが良いのだろうが、いい絵があるので結局どの部屋も一通りみることになってしまった。天井のほうまで絵が重ねられて飾ってあ るので上のほうは見にくい。ラファエロの絵が数多くあるので有名だが、ファンダイク、フィオレンティーナ、カノーバ、ティチアーノ、ルーベンス、ティント レット、カラバッジョ、フィリッポリッピ、ボッティチェリなどなどルネッサンスからバロックにかけての絵が集められている。歴代のトスカーナ大公のコレク ション。 パラティーナ美術館からピッティ宮の右翼棟の君主の居室の間にしきりがなく、いつの間にか君主の間を通りぬけている。歴代の大公やヴィットリオ エマニュエル二世らの国王が住んでいた。バロック、ロココ、ネオ・クラシックの時代の豪華な部屋で、各部屋にもティチアーノの絵などが飾ってある。美術館 で結構時間をとられた。
          

グロッタ
宮殿の建物から一旦出て、ヴォンタレインのグロッタ(洞窟)に行ってみる。グロテスクの語源となったもの。庭は広いので見えているが遠い。
グロッタのあるところは出口の近くだった。グロッタの中は、だまし絵のように、何人の人物がいるのか数えたくなる。グ ロッタのあるところは、ボーボリ庭園の一番低いところ。庭園は斜面に作られているので、正面からずっと上っていく。

お 茶でも飲んで休憩したくて見はらし台のカフェにいったら閉まっている。しかたなく、公園の一番高いところにいくとベルベデーレ要塞の下にぶつかる。要塞に 行きたかったが、公園から柵で区切られ、抜けられない。ネプチューンの噴水の上を要塞にいけないか見てまわったが、陶磁器博物館前の公園まではいけただ が、結局行けなかった。でも陶磁器博物館の前庭からは、今まで見えなかったフィレンツェ市街とは反対の外側がながめられる。山側の風景も美しい。

昼 を過ぎたので、食べるところを探そうと下り、ピッティ宮を出た。来る時にみた美味しそうな果物の盛り合わせのあるパン屋を探して、朝来た道を戻ったが、見 つからない。軽食が食べたいとカフェをさがすが、どこも満員。探してあるくうちに、サントスピリト通りに入ってしまい結局カルミネ教会前の広場まで来てし まった。ファーストフードがあったので、座れるならここでもいいやと入る。美味しそうなケバブのサンドイッチを頼んだら、塩辛くて食べられず残した。

 カルミネ教会の 予約時間までまだ、時間があるので歩きまわると昨日サンジミニャーノへのバスで通ったベルザイア広場の門に出た。ここからアルノ川へ出てア メリゴベスプッチ橋を見て、またグッチャルディ−ニ川岸通りを歩く。暑いので、この前食べた、サンタトリニータ橋の袂のジェラート屋に行って一休みした。

サンタマリア・デル・カルミ ネ教会
ぶらぶらしながら、カルミネ教会にいく。サンタマリアデルカルミネ教会は、13世紀のカルメル派の教会だが18世紀に火災で失われ、現在のものは、ルッ ジェーリの設計によるバロック様式のもの。ブランカッチ礼拝堂部分だけは火災を免れて残った。

予 約してある、というと中に入れてくれた。中庭の回廊を通って、チケット売り場にいく。15時からビデオを見てもらうというので、回廊で待つ。ビデオ室に入る と暗くなる寸前に、ヘッドフォンを付けろという。映像がはじまっても、音は何もしない。娘のは正常らしい。後ろの無人の席と変えてもこれも壊れている。何 もわからないので直ぐに外に出てきてしまった。外で待ったがビデオは長かった、30分以上あったみたい。その間、ビデオを見ない人は順番に礼拝堂に入って いる。予約はビデオの予約だったのか?

中 に入っている人と交代で20人くらいづつ入れる。待ってやっと16:00前に入れる。フレスコの壁画を目の前でみられる。マザッチョやマゾリーノの壁画が ある。途中マザッチョが急死したり、ブランカッチ家がメディチによって追放されたりして15世紀になって残りをフィリピーノリッピが完成した。マザッチョ の楽園追放、貢の銭などミケランジェロに影響を与えたとされる絵で礼拝堂は埋め尽くされている。思っていたほど礼拝堂は広くなかった。

サントスピリト教会
サ ントスピリット教会は16:00から18:00の見学時間というので、ちょうど良い。サントスピリト教会は、15世紀半ばにブレネレスキの設計で着工され たが、ブレネレスキが急死したため、途中で変更された。ファサードは、未完の地味なのっぺりしたまま残されて現在に至る。フィリピーノリッピの絵やミケラ ンジェロの十字架があるので見たかったが、ドアには全て鍵がかかって入れない。ミケランジェロの十字架は去年、日本に来ていたものだ。フィレンツェ最後の 日なのに見られないのは残念。

ま だ一日は時間がある。そういえば、ドォーモには今回、入っていないので、最後にふさわしいので入場時間ぎりぎりだが行ってみることにする。ここからは歩い て20分くらいか。人ごみをかき分けながら、サンジョバンニ広場に着く。さすが日曜の夕方で人出は多い。 ドォーモの入口にはもう並んでいないのですんな り入れる。去年来ているが団体でさっと見ただけなので覚えていない。祭壇の近くには、ロープで仕切られ近づけなかった。ウッチェルロの時計とステンドグラ スを見た。地下のサンタレパラータ教会の遺構も地下に降りたら仕切られて行けなかった。

そ れでも最後 にドォーモの厳格な内部をみられて、フィレンツェの最初と最後がドォーモというのもいい。今日もスタンダに行き、最後のみやげもの探しをしてからホテルに 帰った。今回は思う存分フィレンツェの旧市街を歩きまわった。事前にここは見ておきたいと考えていたところの大半は行けた。それでもまだまだ見ていない美 術館や教会がたくさんある。また来ると思う。

  9月26日(月)〜27日(火) 7・8日目  移動日

4:30 出発 →5:10ペトラルカ空港AF5049便7:15 →9:10シャルルドゴール空港Dターミナル→Fターミ ナル12:45ゲート→13:15発AF276便→9月7日7:50成田空港着
                          

今回はホテルにも恵まれた。小さいが 従業員も皆親切で気持ちよかった。帰りもシャルルドゴール経由。大空港でも乗継のための時間をつぶすのは大変だ。時間がないのも困りものだが今回はたっぷ り過ぎる。



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